国立新美術館

横浜の実家に泊まった翌日の日曜日には六本木の国立新美術館に行って来ました。僕はアート好きと云うよりも美術館好きでもっと言うと美術館建築が好きなのがあります。およそ半年ほど前に、青山から六本木へ向かって歩いたときに建設途中の姿を目撃しており気になっていたのでした。

大江戸線六本木駅より歩いていくと、建物の偉容がバーンと視界にとびこんでくる。前面は曲線で構成されたガラス張りでまあ壮観だこと。建築全体ではなかなかに良いのではないかな?

この写真は隣接する敷地の政策大学院の建物と背後には六本木ヒルズが見えるところ。六本木ヒルズはなんだかバベルの塔を想起させるシルエットだ。

展示毎にチケットを買う仕組みなので、ロビーまでは誰でも無料で入れることになる。今回は2つの企画展のうち「20世紀美術探検」と無料の「黒川紀章展」を見ることにした。

「20世紀美術探検」は展示内容としては無難に20世紀美術の概要を順番に見せるようなもので、良くも悪くも教科書的であって中高生が課外授業で見学に来るよとよいのになと思った。展示室はおそらく多様な展示方法に対応できるように出来ていて展示をする側の使い勝手がよいようになっていそうだ。また天井も高く鑑賞者にとっても各所が広く使われていて空間に余裕がある。こういったことは大事ですね。

次に「黒川紀章展」ですが、こちらもかなり良かった。建築の展示は難しくて、あまり感心するものに出会ったことは少ないのだけれども、対象となる建築家が関わった建物内で行われるのは重要なことかもしれない。展示内容で特に気になったのは、今度新設される「サンクトペテルブルクのサッカースタジアム建設案」で、塔と吊り屋根を組み合わせた構造がトヨタスタジアムみたいと思ったら、トヨタスタジアムも黒川氏の設計だった。黒川氏が手掛けたスポーツ施設としては、他には大分ビッグアイがある。トヨタスタジアムは観客席の急勾配が観客にとって見やすいと評判がいいのだが、実は隣接する矢作川に架かる橋梁のデザインも黒川氏が統一して手掛けていてその組み合わせとしてもかなり良い。あと僕の馴染みがある建物では名古屋市美術館くらいしかなかったのだが、今回の展示を見て現地を訪れて実物を見てみたいと思わせてくれるものばかりだった。ただ一つ難点を挙げるならば、無料の展示コーナーでもあり人がかなり多かったことかな。

帰りは館内から直結する千代田線乃木坂駅へ向かった。写真は連絡通路のポスター掲示。駅までの実距離ではこちらが近いが、六本木側から歩いて来た方が建物全体を外から眺めることが出来るので、これから始めて行ってみようとする方には六本木側からをお薦めします。